パーキンソン病患者にとっての睡眠の重要性

人間の最大欲求の一つに「睡眠欲」があります。
私達の身体は、脳によってコントロールされています。その脳が情報整理や休息として必要とするのが睡眠で、身体の疲労回復にも不可欠です。
パーキンソン病患者さんにとって、質の良い睡眠を得ることはとても大切です。
睡眠は、パーキンソン病の症状の進行を緩和するだけではなく、根本的な健康を支える重要な役割を果たします。

現在のパーキンソン病のガイドラインでは、薬物療法と運動の両輪が大切とされていますが、それだけではなく、 基本的な生活習慣を整えることで症状を管理することができるといわれています。食生活の見直しや活動量の確保などご自身でできることがありますね。 生活習慣の中でも就寝に関することは、睡眠の質にとても大きな影響を及ぼします。

質の悪い睡眠は、パーキンソン病の症状に大きな影響を及ぼす要因の1つです。実際、患者さんの多くが、何らかの睡眠障害を経験しています。入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒などの不眠だけではなく、日中の過度の眠気、REM睡眠行動障害(夢の中の行動をしてしまう、自分では覚えがない)、ムズムズ病(足がムズムズする)などが含まれます。

十分な質の良い睡眠が取れないと、振戦、筋肉の硬直、バランス障害、気分障害だけではなく、薬が効きにくくなるといった患者さんからの声も多く出ています。

一方、十分な質の良い睡眠を取ることで、患者さんに次のような効果もあります。

  • 運動機能や歩行の向上
  • 日中の疲労の軽減と活力の増加
  • 気分の安定と改善
  • 記憶力、集中力、問題解決力などの認知機能の向上
  • 免疫機能の強化
  • 薬の効きが良い

睡眠は脳や身体の修復と再生のプロセスに不可欠な役割を果たします。パーキンソン病患者さんにとって、質の良い睡眠は脳神経系の健康を支えます。
パーキンソン病の症状を管理し、質の良い睡眠を得るためには、以下の点に注意することが重要です。

  • サーカディアンリズム:概日リズム(生物に存在する約24時間周期のこと)を整える。毎朝できるだけ決まった時間に起床して、日の光を浴びるなど、生活習慣を整えていきましょう。
  • 日中の活動量を増やす 仕事や家事など、できることはしましょう
  • 定期的な運動を行う(運動後には成長ホルモンが分泌されますし、身体の疲れが心地よい睡眠に繋がります)
  • 就寝前の習慣を確立する スマホなどのデジタル機器に触れないようにする
  • カフェインや過度のアルコール摂取を控える
  • 寝る直前に身体を温め過ぎないようにする(人は入眠の際に体温が下がります)
  • 睡眠に適した環境(涼しく、暗く、静か)を整える
  • 寝返りしやすいように、パジャマやシーツを滑りの良い物にする
  • トイレまでの動線をなるべくシンプルにする
  • 就寝後にトイレに行くときには、明かりをフットライトのように最小限にする
  • リラックス法で ストレスと不安を管理する(正しい呼吸法を試してみてください)
  • 医師の指導の下、薬物療法や行動療法などを活用し睡眠改善を行う

これらの方法を実践することで、パーキンソン病患者さんが質の良い睡眠を得られるようになることが期待されます。

コントロールPD

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