体を温めることから始める、やさしいセルフケア

寒い季節、体が硬くなりやすく感じられたり、手足の冷えに悩まされている方も多いのではないでしょうか。
この症状は自律神経の乱れによるものと考えられ、 日常生活動作や運動だけでは改善が難しいことがあります。
そこで今回は、パーキンソン病と共に生活される皆さまに、体を温めることの大切さについてお話しさせていただきたいと思います。

    


なぜ体を温めることが大切なのでしょうか?

パーキンソン病の症状の中で、多くの方が悩まれているのが身体のこわばり、そして手足の冷えです。実は、身体を温める温熱療法を活用することが、これらの症状の緩和に効果的なのです。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10513428/


代表的な温熱療法

代表的な温熱療法は以下の通りです

  • お風呂やサウナ
  • ホットストーン
  • 温熱マット
  • 遠赤外線療法


これらの方法は、体を心地よく温めることで、自然治癒力を高める効果があるとされています。

私たちの自律神経は、「交感神経」「副交感神経」の2つのシステムで構成されています。 「交感神経」は活動モードを、「副交感神経」はリラックスモードをコントロールしています。 パーキンソン病では自律神経の乱れにより様々な症状が見られます。 そこで温熱療法を行うと、「副交感神経」を優位にする効果があるため、体に以下のような変化が起こります

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7851208/#Sec15




温熱療法の効果

1. 血行促進
体が温まることで血流が改善され、筋肉の緊張がほぐれます。
これにより、身体的なリラックス効果が得られます。

2. 副交感神経の活性化
適度な温熱刺激は、副交感神経を優位にする効果があります。
その結果、

  • 心拍数が落ち着く
  • 呼吸が深くゆっくりになる
  • 消化機能が活発になる
  • 睡眠の質が改善する
の効果が期待できます。

3. ストレスホルモンの減少
体が温まることで、コルチゾールなどのストレスホルモンの分泌が抑えられます。




日常生活に取り入れやすい温め方のご提案

1. お風呂でのケア
お風呂は、体を温める最も効果的な方法の一つです。ただし、少し工夫が必要です。

    **準備から始まるケア**
  • 脱衣所を暖かく保つことから始めましょう
  • 湯温は38-40度程度の優しい温度に
  • ゆっくりと15-20分かけて入浴します

    **お風呂の素敵な効果**
    お風呂に入ると、お湯の圧力(静水圧)で体全体が優しくマッサージされているような効果が得られます。 血行も促進され、全身の温まりを感じられるはずです。
    入浴剤や岩塩を入れることで、さらに身体が温まりリラックス効果を高めることが期待できます。


2. 日常的な温めケア
    **手軽にできる温め方**
  • 電気毛布やホットパックの利用
  • カイロの上手な使い方
    • 肩甲骨の間
    • 腰部
    • 足の甲に近い部分
    • ふくらはぎ
    • 首、手首、足首など、
    • 血行の重要なポイントを温める

  • マッサージ機能付きの温熱器具も効果的です

3. 運動による体温管理
運動は体を内側から温める素晴らしい方法です。ただし、無理のない範囲で行うことが大切です。

  • 温かい室内でゆっくりとしたストレッチ
  • 体調に合わせた軽い運動
  • リラックスできる動きを中心に




大切な注意点

    **安全に温めるために**
  • 熱すぎない温度設定を心がけましょう
  • 特に直接肌に触れる温熱器具は、低温やけどに注意が必要です

    **水分補給の重要性:**
    体を温める際は、思っている以上に水分が必要になります。
  • 入浴前後の水分補給
  • 温熱療法時の水分補給
  • 時間を決めて定期的な水分摂取
  • が大切です。

おわりに
体を温めることは、パーキンソン病の症状緩和に効果的な方法の一つです。ご自身の体調に合わせて、 できることから少しずつ取り入れていってください。

無理のない範囲で、快適に感じられる方法を見つけていただければと思います。 また、体調の変化を感じられた際は、担当の医療専門家にご相談ください。

皆さまが、少しでも快適に過ごせますように。温かいケアで、やさしい毎日を過ごしていきましょう。


動画参考リンク

緊張している筋肉を緩めるゼロポイントリラックス



冬に気を付けたい脱水

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