音楽とともにストレッチ

主治医から「運動は大切です」と言われても、何をしていいのか分からないと相談されることがよくあります。 その中で、ストレッチもどれくらいの頻度でやったらいいのか?といった質問も多いので、今回はパーキンソン病(PD)の症状をコントロールする上で大切な 「ストレッチ」について、新しい視点を交えてお話しします。     


パーキンソン病患者さんにとってのストレッチの重要性

パーキンソン病の主な症状には以下のようなものがあります

  • 筋肉のこわばり(筋固縮)
  • 動作の遅さ(無動・寡動)
  • 姿勢の不安定さ
  • 関節の動く範囲(可動域)の減少

ストレッチは、これらの症状に直接働きかけ、関節の柔軟性や全体的な動きやすさを維持するのに役立ちます。




アメリカのパーキンソン病支援団体も推奨するストレッチの重要性

アメリカのParkinson’s Foundationも、その運動推奨プログラムの中でストレッチを重要視していて、週2,3回以上のストレッチを推奨しています。

    https://www.parkinson.org/blog/awareness/exercise-recommendations


パーキンソン病患者さんの特性を考慮したストレッチ方法

パーキンソン病患者さんは、一般の方に比べてストレッチの姿勢をとったり、姿勢を変えたりするのに時間がかかることがあります。 また、ストレッチ自体に時間がかかり、飽きてしまって長続きしない方もいらっしゃいます。
そこで、以下のような工夫をお勧めします。

まず、ストレッチする前に優しく体の表面をさすりましょう。優しく触れることで、身体にリラックスすることを促します。

1. 音楽を活用したストレッチ

好きな曲を1曲聴いている間だけストレッチをする方法を試してみましょう。これには以下のような利点があります。

  • 時間の目安になる:曲の長さが自然なタイマーの役割を果たします。
  • 気分が上がる:好きな音楽を聴くことで、ストレッチがより楽しくなります。
  • リズムに合わせられる:音楽のリズムに合わせてゆっくりと動くことで、自然な流れでストレッチができます。
  • 継続しやすい:「1曲だけ」という気軽さが、毎日の習慣づくりに役立ちます。

2. 部分的なストレッチに集中する

全身のストレッチを一度に行うのではなく、以下のように焦点を絞ってみましょう

  • 気になる部位に集中:特に硬さや不快感を感じる部位を重点的にストレッチします。
  • 1〜2か所に絞る:毎回1〜2か所の部位だけをストレッチすることで、負担を減らし、集中して行えます。
  • 効果を実感しやすい:特定の部位に集中することで、ストレッチ前後の変化を感じやすくなります。


音楽と共に楽しむストレッチの例

1.首と肩のストレッチ

好きなバラードを流しながら、ゆっくりと首を回したり、肩を上下させたりします。音楽のテンポに合わせて動くことで、 リラックスしながらストレッチできます。

         

2. 腰のストレッチ

アップテンポな曲を選び、椅子に座った状態で体を左右にゆっくり傾けます。曲のリズムに合わせて動くことで、楽しみながら腰の柔軟性を高められます。

3. 足首のストレッチ

ゆったりとした曲を流しながら、椅子に座って足首を回します。音楽を聴きながら行うことで、単調になりがちな動きも飽きずに続けられます。

         
ストレッチでは、痛さを我慢するような動きは、身体に力が入るので、逆効果です。
痛(いた)気持ちいいくらいまでの動きにしましょう。
息を吐きながら行う事も意識してください。


最後に:小さな一歩から始めましょう

ゆっくりと、そして自分のペースで始めましょう。好きな音楽と共に、自分に合ったストレッチを見つけていってください。
たった1曲の間のストレッチでも、毎日続けることで大きな変化を感じられるはずです。

少しでも楽しく、そして簡単に毎日続けられることを目指しましょう。音楽とストレッチを通じて、体の柔軟性だけでなく、 心の柔軟性も養っていけることを願っています。





動画参考リンク

棒を使った姿勢改善ストレッチ

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