パーキンソン病においての運動(非薬物療法の大切さ)

私達支援者の想い 一人で悩まないで!まだまだできることがある!!

  • パーキンソン病は十数年前と比べると、診断と同時に運動の推奨もされるようになり、活動の不活発化による転倒、骨折、療養というパターンが改善されています。

  • 診断されて気持ちはどん底かも知れませんが、まだまだ楽しんだり、できることはあります。私達は、たくさんのパーキンソン病の方を見てきて「薬は大切だが、薬にだけ期待する」と、その薬が増えすぎて効かなくなることを危惧しています。

  • 早期から、生活を見直す、身体を動かす、楽しみを増やす、必要な栄養について学ぶなど非薬物療法を知って、薬とも上手く付き合っていって欲しいと願っています。

1. なぜ薬だけではなく運動が大切なのか

  • パーキンソン病は、脳のドーパミンと呼ばれる神経伝達物質の減少に伴い、運動制御が損なわれる疾患です。従来の治療では、ドーパミンの不足を補う薬物療法が主流でしたが、最近の研究から明らかになったことは、運動がその効果を補い、病気の進行を遅延する上で非常に重要であるという点です。

  • 運動は、脳の神経結合を促進し、神経伝達物質の放出を増やすことで、ドーパミンの働きを活性化します。運動は薬物療法と協力して、筋力の維持、バランスの向上、運動能力の維持をサポートします。
  • さらに、運動は脳の可塑性(脳の神経回路の再構築)にも影響を与えます。運動を通じて新しいニューロンの形成が促進され、神経回路が再構築されることで、病気による神経損傷に対抗する可能性があります。これにより、患者は日常生活の動作において改善を実感でき、生活の質が向上します。

  • 運動はまた、薬物療法によってコントロールしきれない非運動症状(抑うつ、認知機能低下など)への対処にも効果的です。運動によって身体的な活動が増え、精神的な健康も向上することが多く見られます。
  • 運動と薬物療法は、治療の両輪としてパーキンソン病のガイドラインでも推奨されています。運動は、パーキンソン病の症状に対抗する重要な要素であり、単なる補完療法を超えて積極的に取り入れるべきであることが明らかになっています。

2. どのような運動が勧められているのか

パーキンソン病患者に特有の困りごとに対処するための、特定の運動やエクササイズが有ります。以下は、パーキンソン病患者向けに効果的な運動の一例です:

1. LSVT BIG&LOUD療法:

**ビッグ療法:**
大きな動きを促進するトレーニングで、手足の振り幅を広げ、筋力を強化します。これにより、歩行の改善や日常生活の動作の向上が期待されます。


**ラウド療法:**
音声トレーニングで、声のボリュームや明瞭さを向上させることを目指します。


  • これにより、発話やコミュニケーション能力が向上します。

2. 多重タスクの運動:

脳と体の連携を促進するために、多重タスク(同時に複数の事)を行い、歩行や身体のコントロールに対する感覚を向上させます。

3. パーキンソン病と相性の良い運動:

卓球・太極拳・Yoga· ボクシング・ダンス、などこれらは、パーキンソン病の患者に必要なバランスの改善や手と目の協調、筋力維持などの要素を含んでいます。

4. 立ち上がりトレーニング:

  • 活動量を増やし、日常生活の質を向上させるためには、椅子からの立ち上がりや歩行のトレーニングが重要となります。

  • この立ち上がりトレーニングにHAL腰タイプを利用されている方がいます。HALは、脳からの信号を受け、動きをサポートする装着型サイボーグです。その人の運動意思に従って動くことをアシストすることで、自分の体を思い通りに動かすサポートが期待できます。

5. まとめ:

       

今回ご紹介した運動は、パーキンソン病患者さんが日常生活を送る上で特に抱えがちな困りごとに焦点を当てて、日常生活の自立を助けることを目的としています。ただし、これらの運動を始める前には、主治医や理学療法士、専門家と相談し、個々の体力や症状に応じた適切なプログラムを作成することが重要です。

自宅でHALとは

「自宅でHAL」はご自宅で装着型サイボーグHALを用いた運動プログラムを提供するサービスです。ご本人様・ご家族と設定した具体的な目標と現在のご本人様の状況をもとにした計画書を作成しHAL を使ったプログラムを進めていただきます。

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