朝の目覚めを楽にする寝床でできる簡単エクササイズ

「朝起きるのが大変...」
「布団から出るまでに時間がかかってしまう...」

このような声を、私たち理学療法士はよく耳にします。パーキンソン病の方にとって、朝一番の身体の動きづらさは大きな課題となっています。

今回は、ベッドで横になったままできる、身体を目覚めさせるための優しいエクササイズをご紹介します。

    


なぜ朝は特に身体が硬くなるの?

パーキンソン病の方が朝に動きづらさを感じる理由には、主に以下のようなものがあります
:日本神経学会「パーキンソン病診療ガイドライン2018」参照

  • 夜間の長時間の不動による筋肉の硬直
  • 深夜から早朝にかけての薬の効果の減弱
  • 睡眠中の体温低下による筋肉の硬化



これらの症状は自然なもので、決して皆様の努力が足りないわけではありません。しかし、生活を送る上で不便な症状ですのでそれらを緩和するエクササイズを以下に紹介します。



ベッドでできる朝のエクササイズ

以下のエクササイズは、まだ布団の中にいる状態で行えます。無理のない範囲で、できる動作から始めてみましょう。

1.深呼吸から始める(2-3分)
仰向けになって、お腹に手を置き、ゆっくりと深呼吸をします。これだけでも、身体と心の準備が整い始めます。



2. 自分の手足に触れる
今から動かす自分の手足を触れて、感覚刺激を入れましょう。


3.手足のストレッチ(各30秒)
    ・手首と足首を、できる範囲でゆっくり回転させます
    ・指先をパー・グーと開閉します
    


    ・つま先を上下に動かします
    
    


4. 膝の屈伸運動(5-10回)
    ・片方ずつ、膝を曲げ伸ばしします
    ・動作は必ずゆっくりと行います
    ・痛みを感じない範囲で行うことが大切です


5. 寝返り準備運動(3-5回)
    ・頭を左右にゆっくり向けます
    ・両膝を曲げ、左右交互に少しだけお尻を持ち上げます
    ・最後に起き上がりたい方向へ顔を動かし、行きたい方向へ回転しましょう


大切なポイント

1. 決して無理をしない
    痛みを感じたら、すぐに中止しましょう。

2. 呼吸を止めない
    運動中は自然な呼吸を心がけましょう。

3. 少しずつ始める
    最初は1つか2つの動作から始めて、慣れてきたら徐々に増やしていきましょう。

4. 規則正しい生活を
    毎日同じ時間に起きることで、身体のリズムが整いやすくなります。

おわりに

これらの運動は、決して劇的な改善をもたらすものではありません。しかし、毎日続けることで、少しずつ朝の動き出しが楽になっていくはずです。

もし運動について不安なことがありましたら、担当の理学療法士や医師に相談することをお勧めします。一人ひとりの状態に合わせた、より適切なアドバイスを受けることができます。

皆様の毎日が、少しでも快適に過ごせますように。



動画参考リンク

歩行改善に役に立つベットで出来る運動3つ



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