パーキンソン病に対するHIITの利点 　　　　

1. 脳神経保護効果、脳由来神経栄養因子（BDNF）の増加

2. ドーパミン産生細胞の保護と再生を促進する可能性

3. 運動症状の改善：歩行速度や歩幅の向上、バランス能力の改善、筋力と筋持久力の向上

4. 認知機能の改善：実行機能や注意力の向上、記憶力の改善

5. 代謝機能の改善：インスリン感受性の向上、心肺機能の改善

6. 気分や生活の質の向上：うつ症状の軽減、全体的な生活の質の向上

研究結果が示す有効性
複数の研究で、HIITがパーキンソン病患者の運動機能や認知機能を改善することが示されています。 その他にも、従来の中強度の持続的運動と比較して、同等以上の効果が短時間で得られる可能性があるとの報告もあります。

以下参考資料
激しい運動はパーキンソン病の黒質におけるドーパミントランスポーターと神経メラニン濃度を増加させる
　　　　https://www.nature.com/articles/s41531-024-00641-1
パーキンソン病成人患者における高強度トレーニングの実現可能性と運動症状の進行に対する効果：系統的レビューとメタ分析
　,　　 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10637666
神経変性疾患に対する高強度インターバルトレーニング 運動プログラムの適応と推奨事項
　　　　https://journals.lww.com/acsm-healthfitness/Fulltext/2021/09000/High_Intensity_Interval_Training_for.8.aspx
パーキンソン病患者のための在宅高強度インターバルトレーニング：HIIT-Home4Parkinson'sランダム化比較実行可能性研究のプロトコル
　　　　https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10772299

HIITの実施方法
負荷が大きな運動（スクワット、ジャンピングジャック、ランジなど）を、20秒～30秒行い、 その後10秒の休息を挟む流れを数セット繰り返します。トレーニングの合計時間は約４分から３０分程度で行います。

         
　スクワット　　　　　　　　ジャンピングジャック　　　　　　（サイド）ランジ

HIITを始める前の注意点

• 事前に医師に相談する
• 症状の変動に注意する（症状の強い時は無理に行わない）
• 薬の影響を考慮する（薬の効き目の弱い時間に無理に行わない）
　　
• 個人の症状や体力レベルに合わせてプログラムを考える
• 転倒リスクに注意して行う
• 過度の疲労や痛みがある場合は中止する

HIITを更に効果的にするために、他の運動との組み合わせ

• ストレッチング、バランス運動、筋力トレーニングなど、他の運動療法と組み合わせることで、より包括的な効果が期待できます。